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白氏の雑学日記

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2015年 01月 10日

世代間公平性

 先に衡平性の議論をしたが、これは現在生きている我々だけの議論であるが、世代間倫理の議論がこの先の問題として残っている。
 中国、インドやブラジルのように途上国といえども大国として過去の森林伐採による排出責任の大きさも明らかである。それ以上に、将来世代に対する途上国の責任の大きさもまた明らかである。
 世代間公平性の議論は、同世代のNIMBY問題と同じで、リスクの受益者負担原則が成立しないため、リスクベネフィットで何らかの代替ベネフィットを提供するしかない。NIMBY問題の補償金はあまり有効ではなく、地域共生の道を探すことになろう。世代間衡平性では、事前警戒原則に則り、最大限の削減努力を早急に始めることに尽きる。
 ミニマムは将来世代に選択肢を与えられること、もう少し積極性を持つと将来世代に研究開発能力(知的贈与)と成果を残しておくこと、さらに言うと社会資本(公共財、きれいな大気とか永続的なエネルギー源とか)をきちんと残してあげることであろう。
地球温暖化の問題では、現世代がミニマムの成長で我慢し将来世代のために対策費用を捻出する努力(持続的発展の概念そのもの)をしてきた実績、研究開発により新たな革新技術の芽を提供すること、原子力や再生可能のような長期のエネルギー源を確保しておくこと、が大切であると考えられる。
気温上昇への歴史的貢献(排出量)で、発展途上国が先進国を責める構図があるが、将来世代への公平性を問えば、少なくとも今後に大幅な排出が予想される国々(中印など)には大きな責任がかかることを認識する必要がある。
将来世代への発展途上国の責任を考慮すると、やはり先進国からエネルギー環境技術を移転することにより、早急な環境技術の高度化と大幅な環境製品の普及が必要とされる。

by misterwhite | 2015-01-10 11:10 | 環境学


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