人気ブログランキング |

白氏の雑学日記

whitemr.exblog.jp
ブログトップ
2010年 08月 13日

国家政策と科学的知識

 近年のグローバリゼーションの加速があり、一方で金融経済・地球温暖化の2つの国際的な危機の深刻化がある下で、環境・エネルギー・水、経済、科学技術、教育、安全・衛生、貧困などの複雑で不確実性の高い問題の解決に向けた政策の形成や実施の過程で、科学的知識を使用することに期待が高まっている、と言われている。そのためか、それに対する危機感のためか、米国、英国などで、政策形成における科学と政府の行動規範に関する報告書が出されている。日本でも科学技術振興機構・研究開発戦略センターが報告書を出している。その問題意識は以下のようなもの。

 国内では、総合科学技術会議で議論が進められている第4期科学技術基本計画(来年4月からスタート)の案では、TA(Technology Assessment、技術評価)、ELSI(Ethics, Low, & Social Issues、倫理的・法的・社会的課題)、RS(Regulatory Science、規制科学)など、科学と社会をつなぎ、知識・技術の社会への同化、価値の創造を媒介する、新しい専門分野の振興やその人材育成の重要性が強調されているようだ。
 一方で、最近のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の一部科学者のデータの扱いを巡るクライメートゲートと呼ばれる疑義は、本ブログでも取り上げたが、科学者の間でも正当性の確保が騒がれている。国連が国際科学会議(IAC/ICSU)に対して、IPCCの組織運営・手順に関して独立評価を依頼するまでに至り、メディアでも大きく取り上げられている。
 ところで、わが国では新しい政治体制になって、政策形成過程における科学者や科学者共同体と政治や行政との間の距離感や助言関係について、ルールや規範が十分確立していないようだ。

by misterwhite | 2010-08-13 16:53 | 科学技術


<< 政策決定における科学と政府の関...      巨大氷山、南下中 >>