人気ブログランキング |

白氏の雑学日記

whitemr.exblog.jp
ブログトップ
2009年 12月 06日

ノーベル賞・フィールズ賞受賞者による事業仕分けに対する緊急声明

 今回の科学技術予算に関する事業仕分けは、一般大衆の「科学技術創造立国」の意義や科学予算の大切さに対する関心を呼んだだけでなく、アカデミアの危機意識を喚起し、共同行動をとる必要性を認識させ、そして社会に訴えることの意義を理解させる上で大変有効だったと言える。怪我の功名みたいなものだが。旧帝大系を中心に、確か9大学学長の共同声明発表や10大学理学部長のプレス発表などがあった。また以下のように東大でノーベル賞受賞者たちによる討論会とその後のメッセージもあった。
 行動すること、メッセージを発すること、科学予算の価値を再考すること、など科学者側の活発な活動が目立つことは良いことだ。と言うことは、普段は社会的な活動を全然していないということでもあるが。

声 明

 資源のない我が国が未来を持つためには、「科学技術創造立国」と「知的存在感ある国」こそが目指すべき目標でなければならない。この目標を実現するために、苦しい財政事情の中でも、学術と科学技術に対して、科学研究費補助金を始め、それなりの配慮がなされてきた。このことを私たちは、研究者に対する国民の信頼と負託として受け止め、それに応えるべく日夜研究に打ち込んでいる。
学術と科学技術は、知的創造活動であり、その創造の源泉は人にある。優秀な人材を絶え間なく研究の世界に吸引し、育てながら、着実に「知」を蓄積し続けることが、「科学技術創造立国」にとって不可欠なのである。この積み上げの継続が一旦中断されると、人材が枯渇し、次なる発展を担うべき者がいないという《取り返しのつかない》事態に陥る。
 現在進行中の科学技術および学術に関する「事業仕分け」と称される作業は、対象諸事業の評価において大いに問題があるばかりではなく、若者を我が国の学術・科学技術の世界から遠ざけ、あるいは海外流出を惹き起こすという深刻な結果をもたらすものであり、「科学技術創造立国」とは逆の方向を向いたものである。
 学術と科学技術に対する予算の編成にあたっては、このような「事業仕分け」の結論を
そのまま反映させるのではなく、学術と科学技術の専門家の意見を取り入れ、将来に禍根を残すことのないよう、大学や研究機関運営の基盤的経費や研究開発費等に関する一層の配慮を強く望むものである。

                平成21年11月25日

 因みに、署名した人たちは以下のような錚々たるメンバーだ。それ以外にも東大の教授陣が多数参加していたようだ。
* 江崎 玲於奈(1973年 ノーベル物理学賞受賞者)
* 利根川 進(1987年 ノーベル生理学・医学賞受賞者)
* 森 重文(1990年 フィールズ賞受賞者)
* 野依 良治(2001年 ノーベル化学賞受賞者)
* 小林 誠(2008年 ノーベル物理学賞受賞者)

 科学技術だけでなく、芸術分野でも合同声明発表もあったようだ。さまざまなステークホルダーが問題意識を喚起し、考え、協力し合う姿勢がみられ、大変良いことだ。今回の仕分けがここまで考えてやったものなら素晴らしいのだが。

by misterwhite | 2009-12-06 12:52 | 科学技術


<< 事業仕分け人 中村桂子      博多に戻って櫛田神社にお参り >>