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白氏の雑学日記

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2009年 07月 30日

科学技術政策年次フォーラムでのホルドレン科学技術担当大統領補佐官の発言

 科学技術政策研究所 科学技術動向研究センター メールマガジン7月号から引用。

 2009年4月30日から5月1日にかけて、全米科学振興協会(AAAS)の科学技術政策年次フォーラムが、米国首都ワシントンDC で開催された。本フォーラムは、主に米国を中心とする科学・工学・高等教育機関等のコミュニティが最新の政策課題や科学技術に関する国家予算等の概要を知り、科学技術関係者間の議論の活性化や問題提起を行うことを目的に毎年開催されている。今回で34回目を迎えたが、開催史上初めて600名を超える参加があり、オバマ政権の科学技術政策に対する高い関心が窺われた。
 今回のフォーラムでは「世界的経済不況下における科学技術の役割」、「米国GDPの3%以上に当たる科学技術への巨額の増資とその適切な使い道」、「科学と既存メディアの現状と未来」などの内容について議論が交わされた。初日に次年度研究開発予算とその政治的背景の分析が行われ、2日目に科学技術が現在の世界経済下でどのような役割を果たすべきかというマクロな問題がディスカッションされた。

 まあこういう分析を多いに実施するところが米国らしい。また政策反映も盛んなようだし。科学技術者と政治家の間で、科学政策の対話が成立しているようで、うらやましい限り。日本は前回取り上げた食品安全委員人事でも分かる通り、科学バカが科学政策に口を出すからなあ、もっと勉強しろ、もっと対話しろ、と言いたい。

 基調講演者は、オバマ政権下で科学技術担当大統領補佐官という要職にあり、同時に大統領府科学技術政策局長も務めているJohn P. Holdren氏である。彼はAAASの前理事会議長であった。今回はオバマ政権になって初めてのフォーラムであることから、大統領の科学技術政策に大きな影響力を持つ同氏の講演には特に注目が集まった。講演では、オバマ大統領が科学技術の発展を、経済危機を克服するための大きな柱の一つと考えており、大いにリーダーシップを発揮していることが強調された。

 確かにオバマさんの科学政策の考え方は今までの政治家にはない発想で、大変良いのではないだろうか?そういう意味で彼への期待は大きい。

 大統領の示す科学イノベーション計画では、米国の研究開発投資をGDP比2.66% から3%以上に増加させる方針が出されており、これは1964年の宇宙開発競争時代のGDP比2.9%を凌ぐ規模である。各科学技術関連省庁への予算も増額されている。この計画のなかでは、特に基礎科学と応用研究の両方の強化、クリーンエネルギーを活用した経済の実現に向けたイノベーション、ヘルスケア制度の改善、数学・科学教育の強化などに対して重点的に予算配分を行う方針も示されている。

 う~~むすごい。あのケネディ大統領のアポロ計画と言えば、科学技術に(実は軍事にでもあるが)金をつぎ込むことができた米国の最も良い時期だったのであるが、それを超す研究投資をするとはなかなか思い切った政策だ。技術者の私としては、オバマさんの科学政策の考え方には思わずうれしくなるし、日本でもこれくらいの科学政策を考えて欲しいと思わず比較してしまう。

 本フォーラムでは、その他に、世界的な気候変動問題がもたらす現在の化石燃料の使用により深刻化すると予想される「人の健康状態への影響」に関するパネルが開催された。このパネル以外でも気候変動問題に関する発言は多くの講演に見られ、米国においては、これまでの環境政策の方向性を180度転換し、環境問題へ積極的に取り組む姿勢も随所に窺われた。

 環境問題に関してもともと科学者たちは十分に意識し研究してきたので、オバマさんで米国としての方針が出たので、一気に加速した感がある。

by misterwhite | 2009-07-30 22:10 | 科学技術


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