IE9ピン留め
2008年 06月 18日
フランスの高等教育システム
 以下の記事から、EU(欧州連合の)議長国のバトンを受け取るフランスのエネルギーと食料問題への対処の考え方を見てみたい。ただ、この記事は寄り道があり、フランスの高等教育システムが説明してある。今人材問題を検討している私はこの内容にも興味を持ってしまったので、同じように寄り道する。

  フランス:“非エリート”がもたらす改革の行方 2008年6月12日 木曜日 スティーブ・モリヤマ
 フランスの歴代大統領は、俊英が集まるENA(国立行政学院)出身者が多く占める。そうした中、2007年5月に就任したサルコジ大統領は、パリ大学出身だが、超エリートとは見られていない。この国では、国立行政学院をはじめとしたグランゼコールの上位校出身者で官僚になる者がエリートと見なされる。大企業のトップの多くも、こうした学校を出た官僚出身者で占められている。
 日本では、例えばソルボンヌ(パリ大学の一部)が名門と言われ、確かに歴史的には名門であり著名な卒業生も輩出している。だが、近年ではごく普通の大学の1つとして考えられている。実は、フランスでは大学には、大学入学資格(バカロレア)があれば、原則として誰でも入れる。しかも、無料だ。一方、グランゼコールに入るには、厳しい競争試験(コンクール)に合格する必要がある。
 ただし、医学や法学などを学ぶことができるのは基本的に大学であり、サルコジ大統領もパリ大学で学び弁護士になっている。また大学は、誰でも入れるのだが、大学1年生の半数近くが落第してしまう状況にある。

 でウィキペディアから引用すると、グランゼコール (Grandes Écoles) とは、フランスに特有の高等専門教育機関のこと。基本的に高校と中学校の卒業を認定するバカロレアを取得後、名門中高一貫校のグランゼコール準備学級で2年間学び、各グランデコールが実施する選抜入学試験に受かったものだけが入学が許される。
 グランゼコールはフランスに200校ほどあり、その中でも国立で歴史のある学校が名門とされ、まさにエリート養成機関としての役目を果たしている。この場合の「エリート」とは文字通り専門性の高い分野に関する特別な教育を受けた者という意味であり、グランゼコールは即戦力として活躍できるような職業人として鍛え上げる高等職業専門学校である。そのため、日本の大学やアメリカの学士課程のような一般教育とは大きく実情が異なる。
 現在、名門とされる国立のグランゼコールの多くは18世紀に設立された。こういった歴史の古いグランゼコールの殆どが理工学関係の技術者の養成機関である。ちなみに、エコール・ポリテクニークは、王立の(主に軍事技術を学ぶ)技術学校を再編する形で作られた最初のグランデコール。
 一方、良く知られるフランス国立行政学院は、第二次世界大戦後に設立されており、他の名門グランゼコールに比べると歴史は浅い。この学校の場合だけは例外で、国家が意図して地位を引き上げたと考えられる。また、国立行政学院は、他のグランゼコールまたは大学を卒業した後に入学する、いわば大学院レベルの高等教育機関である。
 フランスには、こう言う形でグランゼコールの大学院に相当する高等教育機関が専門性の高い分野に存在する。

 そうなのだな、フランスの名門は実学志向で、その人々がフランスのあらゆる分野を牛耳っているのだ。ただサイエンスの分野など学問的でももちろんフランスのレベルは高く、それは有名なソルボンヌなどのパリ大学が担っている。実学とアカデミズムを完全に分けており、何でもかんでも東大と言う日本とは教育システムの発想が完璧に違う。イギリスのオックスブリッジのような国立ユニバーシティで私立のカリッジというシステム、アメリカのアイビーリーグや州立大学のシステム、もまたおもしろい。日本でも専門学校の人気が高まっていると聞くが、それらがもっと実学として地位が上がり、大学の一般教育と高等教育に、対抗する実学の府となれればもっと世の中おもしろくなるだろうに。

by misterwhite | 2008-06-18 22:09 | 人間学


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