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白氏の雑学日記

whitemr.exblog.jp
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2007年 05月 27日

最新のリーダーシップ論で見ると日本の現状はどう評価できるか

 月曜は帰りが遅く、その次の早朝から、北京へ出張、エネルギーモデルの小さな学会に参加。北京や中国や学会の感想はまた返ってきてから書くつもりでいる。金曜夜遅く帰ってきて翌朝からはテニス合宿。と言うことで、次のブログはいつ書けるか。
 ここ2日ほど、また環境問題に戻ってしまったが、リーダーシップ論の続きを書く。
 前回は、「リーダーシップの形態は、指示命令型(明確な支持と確認)」、「ペースセッター型(高い目標設定と率先垂範)」、「ビジョナリー型(目的やビジョンの提示)」、「調和型(人間関係の調和)」、「民主型(メンバーの意見の尊重)」、「指導育成型(部下の成長育成)」、の6種類に分けられること」、また「安定的に業績を上げるリーダーは、1つの型に依存しているのではなく、少なくとも4種類以上の型を使い分けていることが明らかになってきた。」ところまで書いた。
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 90年代半ばまで、国や地域を問わず、リーダーシップは「指示命令型」と「ペースセッター型」が一般的だった。日本人がイメージする欧米企業のリーダー像は、今もこの2つの型を中心としたもの。しかし、欧米におけるリーダーシップスタイルのあり方を見ると、現在は「ビジョナリー型」「調和型」「民主型」「指導育成型」の4つが重用されているそうだ。
 これに対し、日本企業はどうか。日本では、古くから調和型や民主型、指導育成型のリーダーシップが重視されてきた。だが、業績重視の風潮の中、最近はむしろ、指示命令型やペースセッター型のリーダーシップスタイルが増えている。この動きは、欧米で起こっているトレンドに逆行している。
 従来型の戦略では、リーダーが高い目標を設定し、自ら率先垂範するペースセッター型が、組織が成果を上げるうえで重要なスタイルとなっていた。 それに対して、企業の多様なニーズにソリューションを提供していくビジネスモデルでは、リーダーはビジョナリー型、調和型、民主型、指導育成型の4つの軸を使いこなすことを求められる。新しい戦略では、多様なバックグラウンドを持つ人材を参加させ、彼らの自主性、自発性、創造的なアイデアを重視しながら問題を解決していくことが欠かせない。1人の優れたリーダーが高い目標を設定して先頭を走っても、奥行きのあるソリューションは提供できないということらしい。
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 結局この差は、ビジネスモデルの捉え方の問題のようだ。猪突猛進で良いものを作ろうのビジネスモデルなら「指示命令型」と「ペースセッター型」で良いが、顧客の多様なニーズにソリューションを提供していくビジネスモデルでは、今のIT産業は総てこれに該当するのではないだろうか、「ビジョナリー型」「調和型」「民主型」「指導育成型」が必要になるのは当然の帰結であろう。とすれば、今の管理方式は方向違いと言うことだろうか。日本の管理職はあんなに多くのビジネス書をまるで本の虫のように読んでいるのに、それが会社の管理方針に役だっていない。あれは教養をひけらかすために読んでいるだけなのだろうか。

by misterwhite | 2007-05-27 09:47 | 人間学


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