2015年 01月 12日
4年ぶりに再開したにしては、結構連続して書き込んでいる。と言っても、本や論文や解説記事からまとまりの良いところを摘み食いしているだけだけど・・・ただ5年もブログを書いてきたので、既に同じようなことを書いているかも知れないが。と思って、少し過去の記事を見直したが、へ~~こんなことを書いていたんだとか、この記事今度の本に使えるな、とか自分で書いておきながら結構面白く読んだ。 リスクは安全概念の対比で議論できるが、その確率論的な定量性により、より具体的に安全を考察できる。例えば、技術システムの安全性をどこまで高めるかは、リスクベネフィット解析に基づくリスク解析の結果と安全目標の比較により定まり、またさらなる安全性向上の要否は、コストベネフィット解析による様々な代替案によるリスクの改善度合いとそれにかかるコストのトレードオフに基づき決定できる。ある技術システムが社会に受容されるか否かは、そのシステムが持つベネフィットとリスクのトレードオフにより決まるので、そのシステムが所属する産業分野における同等の技術システムが持つベネフィットとリスクとを比較することが、システム選択において重要となる。 リスクは、一般的には「危険性」と訳され、「危険なことがら」あるいは「危険なことがらの発生する可能性(確率又は頻度)」としても理解されている。リスクには、健康に対するリスクのみならず、環境リスク、投資リスク、企業経営リスク、政治リスク等様々なリスクがあるが、技術システムとしては、健康リスク(その中でも主に死亡リスク)を取り上げる。代表的な指標は4つ。 (1)年間死亡率 (2)行為当たりの死亡率 (3)ベネフィット当たりの死亡率 (4)寿命短縮 リスクは専門的には、危険源(ハザード)が災害・被害(死亡、健康傷害、財産損失など)となる可能性として理解されている。危険源(ハザード)は、そうした災害・被害を引き起こす潜在的源(例えば、地震、火事、高圧電源、病原菌、有毒ガス、放射能など)のことである。具体的には、リスクとは「ハザードによる被害の大きさとハザードによる被害の発生確率の組合わせ」と定義されている。そしてこの組合わせを〔被害の大きさ〕×〔被害の発生確率〕として表現した場合、危険なものや危険な状態を共通の尺度で考えることができるようになる。
by misterwhite
| 2015-01-12 17:31
| 安全学
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